利他

2011年10月20日

原谷で昔の畑仲間のNさんとばったり。
「せんせ、ひさしぶり。あのな、またいつものじゃがいもなんやけど・・・・・・」
「ああ、あれね。ええですよ。おいくらでしたっけ?」
「1,800円やねん。あとで塾まで持って行かしてもらうわ」
「はいはい。お願いします。ん、今日あんまし財布にお金入ってなかったけど、そんくらいやったら大丈夫ですわ」
「そうか、すまんなあ」で着いていろいろやって思い出して財布を見ると1,702円しか入っていませんでした。
「あちゃ~。まあええか。家知ってるし持って行こっと」

Nさん、自分の商売でじゃがいもを扱っている訳ではありません。売り上げの一部がなんだかの慈善団体への寄付になるために活動されています。10kg 1,800円が高いのか安いのかはわかりませんが、少しでも誰かの力になれればと思って協力させてもらっています。

でもこのいも、北海道から直送ででかくてうまいのは事実。おすそわけした人にはみんな喜んでもらっています。
たいしたことはできません。おいしいいもにありつけて周りの人にもそれを味わってもらえ、さらにその代金の一部がどこかの誰かの役に立つ寄付になるんならばそれはそれでうれしいことです。

「利他」でしょうか。

何年か前京セラの稲盛さんがそんな書名の本を書かれましたね。読みました。感銘を受けました。そんな話をしていると講師の京大院生が言いました。
「でもつゆはらせんせ、彼にそんな言葉言わせたくないですよね」
「なるほど然りその通り、さもありなん。そんな考えもあんねや」と思いました。彼は秀才でした。考えが深い。それが浅い私が思いもつかぬ思慮深さを感じさせてくれた青年でした。果たしてあなたは今どうしているんでしょうか村田くん。あはは実名出してしまった。まあ「村田」なんてそこらにいるし限定できひんしいいでしょう。

可能性は「0」に限りなく近いけれど、もしこれを読んだら連絡ちょうだいね。


『手紙』を読み終えました。身内に強盗殺人犯で服役中の兄がいるという重い話でした。終盤どんな結末を迎えるのかを考え頁をめくる指にためらいを感じました。早く次を読みたくて焦るいつもとは大違いです。
思ったほど悲しい終わりではなくほっとしました。
あまり書くと筋がわかりますので控えます。
彼の他の作品とはちょっと違う味わいです。
お読みください。失望はないと思います。
ただその方の置かれた状況によっては打ちのめされるかもしれません。

これで70冊です。あと2か月と10日で30をやっつけないと100には達しません。が「やっつける」となるとただの「義務」。かと言ってそれができなきゃ目標未達成。さてどちらを選びましょう。というかそんな余裕がない状況ですね。
まあ無理せず楽しみ目標に近づく所存でありまするでござりまする。

では。