お国ことば

2024年04月19日

「これと芽室のハンド、バクってこないとだめだわ」と道民。聞いた福岡県民はたぶんわかってないかな。なんとなく雰囲気は伝わっていると思います。

「これナオしといて」と福岡民。聞いた道民はわかっていないかも。なんとなくはわかるかな。

どちらも理解できるつゆじいはおもしろく聞いています。お読みの方もわかりましょう。
「バクる」は「交換する」の意です。「ナオす」は「かたづける」ですね。おもしろいのは両者ともそれが方言と(たぶん)気づかずに使っていることです。生まれてずっとその地だけで暮らしていると使うことばが当然誰にでも通じると思って使います。そこがおもしろいですね。けっして方言を悪く言っているわけではありません。味のある、興味深いものだと思っています。

私は伊丹で生まれ釧路へ行き、京都で長く暮らしました。知り合った友人にも全国各地の人がいます。それぞれのお国ことばを興味深く聞いていました。方言に関する本も数冊読みました。

「うち、きのうテレビつぶれたわあ」と関西人。
「え、テレビの上になんか重たいもんが落ちたの?」と関東人。

「体育でマラソン練習したしコワくてだめだ」
「なんで長距離走って恐ろしいんだ?」

最近知った北海道弁があります。
「たくらんけ」です。私は知りませんでした。道民の妻も聞いたことがないようでした。一部地域で使われているんでしょうかね。
「この、たくらんけ! バカこくでねえ」というふうに使うかな。昔の先生なんかが使ったのかな。今だと使いようによっては「パワハラ」と非難されるかな。
「この、あほたれが! しょうもないこと言うてんちゃうわ」とでもなりましょうか、関西弁だと。微妙なニュアンスは違うかもしれませんがこんな意味かな。

「北海道弁は標準語に近い」と言われますがそうでもないです。関西弁や東北、九州に比べると確かにそうですが、実はアクセントなどにかなりの差あります。

どこの地域でもそれなりのお国言葉をもちます。大なり小なりなまっています。それはそれで味わい深いです。それぞれの言葉を大切にしたいものですね。