京の秋

2010年11月22日

所用あって西京極へ。住んで長い京都ですが、一度も通ったことのない道を通りました。
「ふ~ん、こんな道があったんや」知っているつもりでも知らぬことはいっぱいあります。

昔ITくん(今、高2かなあ)に言われました。
「つゆはら先生ってなんでも知ったはる。すごい」
「いや、それは誤解や。俺なんて知らへんことの方がずっと多いで」
「いや、そんなことない。なんでも知ったはる」
いやあ、なにも知らないですよ。知らないことの方が多いまま、きっと人生を過ごしていくんでしょう。
ITくんが大人になって会うことができたら、その誤解を解きましょう。

帰路は逆に、昔はよく通ったけれど最近とんと御無沙汰という道をあえて選び、走りました。
「ここをよく走ったあの頃はああだったなあ。こんなこともあったし、なかったし」とか思索(そんなかっこええことできんの?)の時を過ごしました。車はそういう面ではいいです。他人から隔絶された自分だけの空間ですから。

帰り道、選んだ天神川通りは左岸の桜のオレンジが絶妙でした。ほんとうつくしかったですよ。ぜひご覧いただき、それを網膜へ刻んでくださいませ。

赤、黄、橙、赤でもなし、黄でも橙でもない、その微妙な色合い。すばらしきかな、ですね。


今『雪の夜話』浅倉卓弥さんをすすめています。先に読んだ飯田雪子さんの『夏空に、きみと見た夢』とかぶる面もあり、まったくなしです(どないやねん)。いや相通ずる面はあります。

無から有を紡ぐ作家さんのその才に乾杯しつつ無能な私はやすませていただきまするでありまする。

京の、古都の秋はすばらしきかな・・・・・・