亀の甲より年の功

2012年11月28日

旧知のというか、元上司でもある先輩T氏が「新しい英語の教材のことで意見が聞きたい」と来塾。従来の製本された教材プラスインターネットで自宅でも学習できるというおもしろいものです。

ひとしきり教材の話をした後、i phone やi pad の話になりました。彼はずいぶん前から使用。練達の使い手です。いろいろなアプリを取り込んで仕事のほとんどの管理をそれらでやっているそうです。
とても研究熱心な方で、やるときはなんでもとことん突き詰めます。私とは大違いです。
昔よく注意されたことを思い出します。
「虫眼鏡で紙を焼くときだってそうでしょ。焦点を一点に集めるからこそ紙に火がつくんでしょ。それくらいやらなきゃだめだよ」懐かしいです。あまり変わっていませんね私は。

いろいろ教えていただきましたが、私にそこまでそれらを使いこなすのは難しいかもしれません。彼のようにいくつになっても新しいことを貪欲に吸収しようと思う気持ちは持ち続けなければいけません。


お茶を買おうと自販機前に。おじいちゃんがもたもたしています。コインを入れる前にボタンを押しています。気づいたのか鞄を開けて中の財布からやっと硬貨を撮り出します。(「早してや」と思いつつも静観)それを入れようとするんですが投入口がわからないようです。思わず手を出しました。いや違いますよ。手は出していません。手助けです。
「入れますわ。何が欲しいんですか?」
「あ、これ」
「コーヒーですか」
「いや、これ」
「ホットレモン?」
「ほうほう」
「押しますよ」
出てきたそれをとってあげて手渡しました。
「すまんなあ、歳とったら目が見えへんようなってきてなあ。ありがとありがと」

そうですよね。歳を重ねるとできなくなることがふえるんです。私の歳でもそれら(複数です)を実感することがあります。
目と歯が悪なった。(顔はええけど「はいはい」)
身のこなしが悪なった。(前からやろ)
舌の回りが悪なった。(いやいや大丈夫。あんたの口は軽い「そんなことない」)
出そうで出ない言葉がふえた。(もともと知らんのやろ)
覚えているはずの漢字が出てこないことがふえた。(上に同じ)
やらなあかんことをつい忘れることがふえた。(問題やな)
「孫の手」が欲しなった。(背中かゆい。ほんまの孫は別にそんなに早くはいらん)
地位と名誉が欲しなった。(うそです。いりません)
お金と時間は欲しいかな。(本音です)

なんて、否定的なことばっかり書きましたが実際は体力、気力は衰えていないことは自負しています。知力はもともとありません。

とても塾の先生が書くことではないことを毎夜毎夜書いていますね。
まあそれもよしでしょうか。取り繕っても致し方無し。といってほんまのほんまの本音は書けない面もあるのは事実です。

その微妙な間合いで書き続けましょう。

先のT氏を見習って歳をとってもできることがふえるくらいの勢いで生きていこうと思います。

「亀の甲より年の功」。歳を重ねるほどに味や旨味(あんたのそれはいらんな「私もです」わかっていたらいい)をましていきましょう。