変なじいさん

2021年10月20日

ビックさんを毎朝迎えに行きます。でっかいトラックでです。住宅地の狭い道です。救いは車がほとんど通らないことです。とは言っても目立ちます。
ごみを捨てに出た人が不審げに見ます。デイケアサービスの送迎車が止まります。幼稚園バスも。園児のお母さんはあからさまに警戒の目を向けます。一度ならず二度、三度。
そらそうでしょう。怪しいじいさんが乗ったトラックが毎朝止まっていればね。
今朝は遠くで数分待機して少し時間をずらしました。なんやかんや気いつかいますわ。

ビックさん。うどんが好きなようですね。丸亀製麺を指さして言いました。
「あそこ有名? おいしい。ラーメンはちょっとからいね」
「そうか。うどんが好きか。ベトナムのフォーだっけ? 似てるね。北海道は全体に味が濃いね。塩からい。関西は薄味だね」
「うどんがおいしい。ちょっと懐かしくなるね」
「フォーは米の粉。うどんは小麦の粉だよ」とかなんとか。

「布団買ったあそこで。思ったニトリで。安かった半分くらい」
「そうか、それはよかったね」

「リンゴ農園があるのか?」とリンゴ園の幟を見て言います。
「そうだね。できるよ食べたり買ったり。果物はおいしいね。買えないねそうそうは。高いもんね」
「そう。食べたい毎日。おいしい。でも高いね」。とかなんとか今日はいろいろ話しました。
けっこう疲れて眠そうな日もあります。そんなときはおとなしくして眠らせてやります。
元気な日は彼女から話をするのでそういうときに相手をします。慣れぬ土地での慣れない仕事。たいへんでしょう。そっと応援しましょう。

「さあ、今日も楽しく仕事をしよう」
「はい。ありがとございました」。

そう。人に言うからには自分も楽しくしないとね。楽しくやっていますよ。
走りつつ木木の色づきに目を見張り、タコグラフのたあこちゃんと会話を交わし道端に現れたリスに注意をうながし運転を楽しんでいます。

些細なことに喜びを見出しています。おもろいじいさんやと自覚しています。運転席のたあこちゃんとの会話や独り言などは絶対に公開できませんね。おもろいでっせ。(なんで大阪弁やねん「いっつもこういうときはそうやんかいさ」はいはい)
どうせやるならぐちぐち愚痴をこぼさず楽しくやります。やっています。